HOUSE

No.76 インテリアコーディネーターに家具を依頼

同僚女性が中古マンションを買った。以前からそんなことを言っていたので驚きはなかったけれど、社内には「結婚は諦めたのか」という心ない言葉を口にする者もいた。結婚しようがしまいが、家を買おうがどうしようが個人の自由なのに、小うるさい。男性社員のやっかみもあるだろうけど。

引越や整理が済んだ後の休日に、彼女から誘われて訪ねてみることにしたのだ。以前府中のアパートに遊びに行ったことはあったけれど、今度は彼女のマイホーム。駅からも近いし、公園の緑が心地良い。彼女が府中にこだわる気持ちがよく分かる。マンションはオートロックで、すぐにエントランスの扉が開いた。

「引越費用は、そうはかからなかったわよ」アイスコーヒーを淹れながら、彼女が笑う。そうでしょうとも。床はフローリングで、ベッドやソファー下のラグが淡いグリーンで統一されている。カーテンも少し色調を変えたグリーンだ。「とても良い感じの色合いだね」、持参したケーキを取り出しながら、私は言った。ああ、と彼女は小さく笑った。「インテリアコーディネーターに依頼したから。あのチェストやテーブルも一緒に」

ええ~、高くないんだろうか。「そうでもないよ、コーディネーターの知り合いの所から家具やカーテンを買ったから割引してもらえたし。取り付けもしてもらったから」私の顔に浮かぶ疑問に気づいて、彼女は続けた。「物件を紹介してくれた不動産業者の知り合いなんだよね。事務所で打ち合わせをしていた時にたまたま来ていて、パソコンで色々色の組み合わせをシミュレーションしてもらったの」そうなのか。

家具もごく普通のものでバカ高いものではないようだし、本人が気に入っているようだからまあいいか。「結局、大好きな府中に骨を埋めるわけだね」そりゃあそうよというように彼女が笑う。その時インターホンが鳴って、男性の声が飛び込んできた。引越が落ち着いた頃だと思って、近くに来たので寄らせて頂きました、とその声が告げる。「噂をすれば」と呟いて、彼女がボタンを押す。「インテリアコーディネーターさん」という彼女の呟きに、私は少し警戒してその人を迎えた。でも3人でテーブルを囲む内に、その警戒は無用のものだったと知ったけれど。家も結婚もとなったら、会社の男性諸君はどんな顔をするだろう。帰り道、思わず笑ってしまった。

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