EQ(心の知能指数)は検査によって計ることができます。この検査の目的はその人の社会への適応性を図る点にあるため、検査方法も被験者の感情表現や行動パターンをチェックする形の出題が多くなります。
簡単な検査をネット上で行っているサイトもありますが、本格的な検査も基本的には同じ方向性で行われます。例えば「つねに人の視線が気になる」「責任ある立場が不安になって逃げ出したくなってしまう」「感情を抑えるのが苦手」といった項目があり、それに対して自分が当てはまると思う解答をします。
ポイントとなるのは解答の選択肢はひとつではなく、複数用意されている点です。たとえば「かなり当てはまる」「あまり当てはまらない」「ほとんど当てはまらない」など。自分が質問に対してどの程度当てはまるのかを判断したうえでできるだけ正確や解答をすることがEQの精度を高める上での大事なポイントとなります。上に挙げたような解答の選択肢は漠然とした部分もあるため、どれだけ自分の心境を性格に回答できるのか難しい部分があるのがEQの検査方法の弱点のひとつでもあります。
また、こうした出題の内容はどの検査でも似通っている面があり、出題の段階でどう応えればEQが高いと判断されるのが事前に推測できてしまうという難点もあります。ネット上で手軽に受けることができる簡単なEQ検査ではとくにその傾向が強く、心理テストと似たような感覚で受けられる一方、自分の感情や行動パターンを正直に解答するよりも「この解答をした方がEQが高くなる」と計算したうえで解答してしまいやすいという大きな問題点を抱えています。心理テストの形式でEQの検査を行う場合にはこの点に注意した方がよいでしょう。
こうした問題もあるため、専門的なEQ検査では心理テスト的な内容だけでなく、本人の行動観察や他人からの評価も取り入れた検査が行われるようになっています。EQへの関心と重要性が高まっているなか、検査方法に関してもより精度の高い内容が求められるようになっているともいえそうです。
WELLNESS
No.80 EQの検査方法と検査結果から分かる被験者の社会への適応性
